動画広告は、文字・音声・映像など豊富な情報量で訴求することができる有効な手段です。そんな動画広告にはどのような種類があるのでしょうか。
従来からインターネット広告の主流はバナー型のリスティング広告でした。 しかし、近年は通信速度が向上し、画像・動画コンテンツが中心のSNSが普及しています。
サイバーエージェント系の調査によると動画広告市場は2018年に1,843億円(推計値)規模で、2024年には4,957億円に達すると予測されており、アドマーケティングでは無視できない存在です。
https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=22540
この記事では動画広告の種類や課金方法、主要メディアを紹介します。
目次
動画広告の主な種類は3つです。それぞれ特徴やメリット、デメリットを紹介します。
インストリーム広告とは、YouTubeに代表されるように動画コンテンツと同じ場所に表示される広告です。ユーザーはコンテンツを視聴しようと意識を向けている時に再生されるため視認性が高く、音・映像で世界観を訴求しやすいのが特徴です。
表示タイミングは3種類あり、それぞれ名前が違います。
コンテンツ本編を再生する直前に流れる「プレロール」は、ファーストビューで表示されるため視認性が非常に高い特徴があります。
TVCMと同じようにコンテンツの合間に流れる「ミッドロール」は、ユーザーはコンテンツの続きが気になっているため離脱率の低さが特徴です。
動画本編の後に流れる「ポストロール」は視認率が低い反面、ユーザーは目的を達成した後のため次のアクションを促しやすいと言えます。
インバナー広告とは、ポータルサイトのようにコンテンツの周辺の枠に表示させるタイプの動画広告です。スキップができるインストリーム広告とは違い、ユーザーはコンテンツを視聴しながら同時に広告も視認可能なため多くのユーザーに訴求できます。
最大の特徴は、従来のディスプレイ広告と同じくターゲティング配信が可能な点です。「リターゲティング」や「オーディエンスターゲティング」など、関心の強いセグメント層を狙うことができるため、他の配信方法よりも効果が高い広告だと言えます。
インリード広告とは、WEBサイトやSNSなどで画面をスクロールするとコンテンツの合間に表示される広告です。似ているタイプに、テキストや画像で構成されたインフィード広告がありますが、インリード広告は動画のため表現の幅が広いという違いがあります。
インリード広告の特徴は、視認性の高さと自然な訴求です。広告はユーザーが注目しているフィードの欄に表示されるため、ユーザーの目に触れやすいと言えます。また、TwitterやInstagramなどスマートフォン向けSNSでは動画コンテンツも増加しており、動画広告であってもユーザーが違和感なく視聴可能です。
上の3つが動画広告の主な種類ですが、その他にもオーバーレイ広告とインタースティシャル広告があります。
オーバーレイ広告とは、スマートフォンなどで画面の上か下に固定表示されるものです。枠が小さい代わりに、確実に視認させ続け記憶に定着させやすくする効果があります。
インタースティシャル広告とは、画面遷移の時などにポップアップで大きく表示される広告です。ユーザーは広告を閉じるかリンクへ遷移しなければならないためUX(ユーザー体験)上やや不便な点はありますが、強い訴求が可能だというメリットがあります。
動画広告の課金方法は、従来のバナー広告と共通のパターンもありますが、動画という特性があるため違いもあります。動画広告の出稿を検討している場合は、課金形態も理解しておくことがポイントです。 ここからは、主な課金のタイプを紹介します。
CPMとは、広告表示1,000回当たりのコストで、従来のバナー広告と同じ考え方です。例えばYouTube、GDN(Googleのディスプレイ広告)、YDN(Yahooの広告システム)などで多くの潜在顧客層に広告を配信する際に使われます。 表示されることに対しての課金のため、認知やブランディングに適した指標です。1日や1週間など期間を決め、消化金額と広告の表示回数から割り出します。
CPCとは、動画広告が1回クリックされるごとに発生する課金で、これもバナー広告と同様です。CPCは多くの顧客に対して認知させる目的よりも、特定セグメントのユーザーに対してターゲティング配信を行い、集客・購入など具体的なアクションに結びつける際に適している指標だと言えます。
CPVとは、広告視聴1回当たりのコスト平均額で、動画広告特有の形態です。クリック課金やCPM課金などの総コストを、動画広告再生数で割って算出します。 ただし数秒から数分の動画で「視聴」をどのように定義をするかは難しいところです。
Yahooの場合は少しでも再生されればカウントしますが、Google・YouTubeの場合は「クリックまたは30秒以上の視聴」などアクションがあった動画の再生数です。
指標「動画の再生数」は、自動再生数と再生ボタンが押された事による再生数の両方を含みます。 参考:Yahoo!プロモーション広告 ヘルプ
https://support-marketing.yahoo.co.jp/promotionalads/twitter/articledetail?lan=ja&aid=10046
このように、出稿先のメディアによって定義が違えばCPVも大きく変わるので確認が必要です。
CPCVとは、動画広告の完全視聴1回あたりの平均コストです。 例えば、先ほどYouTubeは「クリックか30秒以上の視聴」を視聴回数としてカウントすると説明しましたが、これはユーザーが広告に高いコミットを示す「TrueView」という考え方が背景にあります。
実際、YouTubeのインストリーム広告では動画再生の5秒後にスキップできるものが多いですが、実際に課金対象になるのは30秒以上再生された場合か、もしくはクリックなどアクションを起こした場合です。それ未満では課金されないため、費用を効率的に使うことができます。
1回の視聴に対して支払いが発生する動画キャンペーンの入札方法です。視聴としてカウントされるのは、視聴者が動画を30秒間(30秒未満の広告の場合は最後まで)視聴した場合、または動画に対して操作を行った場合のいずれか早いほうです。 参考:グーグル広告ヘルプ
https://support.google.com/google-ads/answer/2382888?hl=ja
動画広告の種類や課金タイプを解説してきましたが、広告の出稿先にはどのような種類あるのでしょうか。主要な広告プラットフォームを紹介します。
動画広告の出稿先としてWEBサイトなど多くのメディアを抱えているのは、この2つです。
Googleは傘下YouTubeでの掲載だけでなく、優良パートナーメディアも抱えており、出稿の選択肢が多いのが特徴です。一方、YahooはPC・スマートフォン合わせて月間約8,500万(調査2018年4〜9月の平均)のユニークユーザーを抱える巨大ポータルサイトを活用できます。
動画広告の出稿で注目される主要SNSは以下の通りです。
特にLINEは20代〜30代の90%以上が利用している注目度の高いSNSで、「タイムライン」上にインリード広告を掲載することができます。
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc111130.html
Instagramは、もともと視覚コンテンツが中心のサービスのため、ユーザーは動画広告でも違和感の少ない訴求が可能です。
Twitterは、コンテンツの拡散力が強く、広告費以上の効果が発生する可能性があります。Facebookは、利用者のプロフィール情報を元に興味関心にマッチするターゲティング配信が魅力です。
ここまで、動画広告の種類や課金方法、主要なプラットフォームを説明してきました。動画にはテキストや画像だけでなく表現の幅が広くありますが、種類やプラットフォームも多く、費用対効果を高めるためには正しい理解が必要です。
特徴を理解した上で、新しい広告の手段として検討してみてはいかがでしょうか。