マーケティングの手法は時代とともに変化していきます。そうしたなか、いま現在多くの企業が活用している手法がWebマーケティングです。
Webマーケティングとはどのようなものなのか、その概要や重要性、企業はどのような施策を取り組むとよいのか、などを解説していきます。
Webマーケティングとは
WebマーケティングとはWebサイトなどインターネット上で集客をおこない、商品やサービスの購入を促すマーケティング活動のことをいいます。
マーケティング活動といえばチラシを配る、テレビCMを打ち出すなどの手法がありますが、これらの活動をすべてインターネットでおこなうというものです。
近年は老若男女問わずスマートフォンやアプリを利用するユーザーが増加しており、以前よりも幅広い層に販促をおこなえるようになったといえます。
Webマーケティングの重要性
平成30年、経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によれば、BtoCのインターネット市場は18兆円、BtoBでは344.2兆円という結果になりました。この数字は今後も拡大傾向にあるということです。
これは、さまざまな商品を扱うネットショップが増加したとともに、スマートフォンの普及なども手伝い、多くの人がインターネットで買い物をするようになったことが要因と考えられます。
最近はテレビや店頭で見つけた商品をインターネットで調べ、詳細情報や購入者の口コミを確認してから購入を決定するという人も増えています。
そのため、ネット上でいかに商品やサービスを魅力的に紹介し、多くの人の目に触れるよう宣伝をおこなうかが売上を大きく左右するようになってきているのです。
Webマーケティングの施策
Webマーケティングは、まず集客→接客で購入に導き、さらに再訪問を促すのが基本的な流れです。それぞれどのような方法があるのかをご紹介します。
集客施策
集客の施策とは名前どおり、Webサイトに訪問してもらえるようユーザーに呼びかけることです。広告を出すなどして、多くの人の目に触れ、訪問したくなるように工夫をする必要があります。具体的には以下のような方法が挙げられます。
SEO(検索エンジン最適化)
SEOとは、GoogleやYahooなどの検索サイトにおいて、特定のキーワードで検索された際の検索結果ページ上位に表示されるよう、対策をおこなうことです。
SEOには「特定のキーワードで上位表示させる」施策と、「さまざまなキーワードで検索結果に表示されやすくする」施策の2種類があります。
特定のキーワードの検索結果の1ページ目の上位に表示されれば、それだけ多くの人の目に触れるのでアクセス数が増え、訪問したユーザーが購入に至る可能性を高めることができます。
リスティング広告
「検索連動型広告」とも呼ばれ、検索サイトで特定のキーワードを検索した場合の検索結果の上部もしくは下部に表示される広告のことです。タイトル下に小さく「広告」と表記がつきます。
この広告はクリックされるごとに課金される方式で、特定のキーワードとクリックごとの課金額は自分で設定できる入札制となっています。
そのため、同じキーワードで出稿する広告主と競り合い、より高いクリック課金額を設定した広告出稿者が上に表示される仕組みです。
アドネットワーク広告
さまざまなWebサイトやアプリなどに広告出稿できる「アドネットワーク」と呼ばれるネットワークを利用して広告を出稿する方法です。
リスティング広告のように、特定のキーワードでの検索結果ページに限らず、幅広い場所で広告を表示できます。Google
Adsense やYahoo!ディスプレイアドネットワークが有名です。
アフィリエイト広告
「成果報酬型広告」と呼ばれ、アフィリエイターと呼ばれるサイト運営者により記事で商品やサービスを紹介してもらい、そこから売れた場合に報酬を支払う仕組みの広告です。
アフィリエイターに商品やサービスの紹介記事を作成してもらい、リンクを張ってもらうには、ASPと呼ばれる企業を仲介し、広告素材を提供する必要があります。
SNS広告
FacebookやTwitterなどSNSのタイムライン上で表示される広告のことです。特定の年齢層・性別・居住地など細かく属性を絞って配信できる点が特徴です。
そのほかにも、特定のキーワードを入れて投稿したユーザーに表示するなど、ユーザーの興味関心に寄り添って訴求がおこなえます。
ソーシャルメディア対策
SNS広告とは異なり、FacebookやTwitterなどのSNS上でユーザーの興味を引くような投稿をおこなったり、直接返信などでコミュニケーションを取ったりすることでファンを生み出す集客手法です。
ファンをつくる、増やすには時間がかかりますが、その分一度ファンになってもらえば継続的に商品やサービスを購入・利用してくれるリピーターを生むことにもつながります。
接客施策
接客施策はサイトを訪問したユーザーがゴール(商品やサービスの購入・利用)に至るよう導くことです。それにはサイトをユーザーが見やすく利用しやすく、魅力を感じるよう整えることが重要になります。
LPO(ランディングページ最適化)
ランディングページ(LP)とは、ユーザーがリスティング広告などからアクセスして最初に訪れる、商品・サービス紹介などのページを指します。
LPOとはこのページを見たユーザーが、すぐページを消す(離脱)ことがなく、内容をしっかり見て購入に至るよう、改善をおこなっていくことです。
EFO(エントリーフォーム最適化)
エントリーフォームとは、商品の購入時に購入者の名前や住所などの情報を入力する部分です。この部分は入力の手間もあり、離脱がもっとも多いといわれています。
この離脱を防ぐために、エントリーフォームの入力欄を最低限にする、郵便番号を入力すれば住所が自動入力されるなど、手間を減らし使いやすくすることがEFOです。
再訪問施策
再訪問施策は、一度サイトに訪問したユーザーが再度訪問するように促すことをいいます。一度訪問したユーザーであれば興味を持ってもらいやすいため、効率よく集客できる可能性が高いです。
メールマーケティング
一度訪問し、ユーザー登録やキャンペーン応募などでメールアドレスが分かっている場合に、そのユーザーへメールを配信し、再訪を促す方法です。
時期的にユーザーの興味・関心が高まりそうな適切なタイミング・内容で配信することで、不快にすることなく、再訪を促すことができます。
全員に同じメールを送信するのではなく、より関心度が高そうな特定のユーザーにだけメールを送信する、クーポンを配信したりすると効果が高まる可能性があります。
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、一度サイトを訪問したユーザーに対し、ほかのサイトを閲覧した際にもユーザーを追跡して広告を表示するものです。
興味はありながらも、購入に迷って一旦離脱したユーザーに対しても表示できるため、獲得見込みのユーザーを取りこぼすことを防げます。
Webマーケティングのメリット
Webマーケティングにはさまざまなメリットがあります。
多くのユーザーに配信できる
たとえば店舗での宣伝やポスター・広告の配布など、リアルマーケティングは地域が広がるほどコストが増え、宣伝の場所や時間などの制限があります。
しかし、Webマーケティングは24時間365日、全世界に向けて幅広く宣伝をおこなえるため、多くのユーザーに見てもらうことができます。
細かいターゲティングが可能
多くのユーザーに幅広く宣伝できるほか、より興味関心を持ってもらえる可能性のあるユーザーの属性を絞って集客できる部分もメリットです。
前述のように、リスティング広告であれば特定の単語を検索したユーザー、SNS広告は特定の年齢や趣味などで絞り込んで配信できるため、集客効果が高いです。
施策の改善が簡単
テレビCMやチラシなどは一度配信すると取り消すことがむずかしいです。しかし、Webで配信した広告や投稿内容はいつでも即時変更できます。
管理画面でユーザーのクリック率や購入に至った確率などを確認できるので、数値が悪いようなら文言の変更や画像の差し替えなど改善をおこなうことで、より宣伝効果を高めることができます。
Webマーケティングのデメリット
Webマーケティングにはさまざまなメリットがありますが、デメリットといえる部分もあります。
地域密着サービスは成果が出にくい
業種などにより、成果が少なくなってしまうケースもあります。たとえば、北海道限定でサービスを提供しているなどの場合、ほかの地域の人がサイトにアクセスしても、成果にはなりません。
そのため、成果にならないわけではありませんが、Webマーケティングでは地域密着という強みを活かしにくい可能性があります。
スキルの習得、アップデートが必要
Webマーケティング手法のトレンドは2年ほどで入れ替わるといわれます。そのため、最新のトレンドを把握し、そのスキルを取得していく必要があります。
そのため、Web初心者の方がイチからはじめようとする場合、つねに流行を追う努力が重要になります。それが厳しい場合は、Webマーケティング会社に依頼するのが最善かもしれません。
まとめ
Webマーケティングの概要や施策の方法を解説しましたが、施策によって、効果の高い業種や即効性・コストなどが異なります。
SEOは即効性が弱いもののコストは安く、またリスティング広告であればコストが掛かる分、即効性が高いです。このようにさまざまな方法を比較して、最適なものを選ばれてはいかがでしょうか。